2026.08.20
経理を「一人にしない」という経営判断
目次
不正・属人化から会社を守る仕組みづくり
先日、ある会計事務所のニュースレターを読んでいて、非常に印象に残った言葉がありました。
「一人にしないで」
上場企業で、経理部門の責任者が関係する不正な資金流出が発生した事例をもとに、経理業務を特定の一人に依存させることの危険性を指摘した内容でした。
事件そのものは大企業で起きたものですが、私はむしろ、中小企業にこそ大きな示唆があると感じました。
中小企業の経理は、どうしても「一人」に集まりやすい
中小企業では、
- 経理担当者が一人だけ
- 給与計算も請求も振込も同じ人
- 銀行口座の管理も同じ人
- その人しか業務のやり方を知らない
という状態は珍しくありません。
その担当者が優秀であればあるほど、経営者から見れば「任せておけば大丈夫」という状態になります。
しかし、その状態が長く続くほど、
「その人がいなくなったら誰も分からない」
というリスクも大きくなります。
これは、不正だけの問題ではありません。
退職、休職、病気、育児、介護。
何らかの理由で担当者が突然業務を続けられなくなったとき、会社の経理そのものが止まってしまう可能性があります。
不正を防ぐためにも「一人で完結させない」
不正防止という意味でも、経理業務を一人で完結できる状態は望ましくありません。
例えば、
請求内容を確認する人と、振込をする人を分ける。
仕訳を入力する人と、確認する人を分ける。
銀行振込には承認者を設定する。
業務手順をマニュアル化する。
こうした仕組みがあるだけでも、リスクは大きく変わります。
大企業であれば、経理部門の中でこうした役割分担を行うことができます。
しかし、中小企業では経理部門に何人も配置すること自体が難しい。
ここに、経理BPOの一つの役割があると考えています。
経理BPOは「人を減らすため」だけのものではない
経理アウトソーシングというと、
「経理担当者を雇うより安くする」
というコスト削減のイメージを持たれることがあります。
もちろん、それも一つのメリットです。
しかし、私たちがより重要だと考えているのは、
経理業務を一人の頭の中から、会社の仕組みに変えること
です。
例えばeLectio Raiseでは、入力担当者だけで業務を完結させず、チェック工程を設けています。
また、資料の回収方法や処理手順、月次のスケジュールなどもできるだけ標準化し、
「この人しか分からない」
という状態を減らしていきます。
これは効率化だけでなく、会社を守るための仕組みでもあります。
経営者まで「経理の担当者」になる必要はない
一方で、
「一人に任せるのが危険なら、社長が全部確認しないといけないのか」
というと、私はそれも違うと思っています。
経営者が毎月すべての請求書や仕訳を確認していたら、本業に使える時間がなくなってしまいます。
必要なのは、社長自身がすべての実務を行うことではなく、
経営者が必要なところだけ確認できる仕組み
をつくることです。
日々の実務は担当者や外部の専門チームが行う。
チェック工程を設ける。
重要な数字や例外事項だけを経営者へ報告する。
こうした形にすることで、経営者は本来の意思決定に集中できます。
「社外経営管理部」という考え方
eLectio Raiseでは、経理BPOを単なる作業代行ではなく、企業の管理機能の一部を社外から支えるサービスだと考えています。
大企業であれば、経理、財務、総務、経営企画など複数の人が会社を支えています。
一方、中小企業が同じ人数を雇用することは現実的ではありません。
だからこそ、
必要な管理機能を、必要な分だけ社外から利用する。
これが私たちの掲げる「社外経営管理部」という考え方です。
経理を一人にしない。
会社の数字を一人の担当者だけに依存させない。
そして、経営者自身も細かな実務に追われない。
そうした仕組みをつくることが、これからの中小企業にはより重要になっていくと考えています。
「今の担当者が辞めたら」を一度考えてみる
経理担当者が長く勤めてくれている会社ほど、一度考えてみてほしいことがあります。
もし、その人が明日から会社に来られなくなったら、経理業務は問題なく続けられるでしょうか。
請求書は誰が処理するのか。
給与は誰が計算するのか。
銀行振込は誰が行うのか。
月次の数字は誰がまとめるのか。
その手順を、ほかの人は知っているのか。
もし答えに迷う項目が多ければ、それは今の担当者が悪いのではありません。
会社として、業務を仕組みに変える余地があるということです。
経理を楽にするだけではなく、一緒に企業の未来を考える。
社外経営管理部サービス™のeLectio Raiseは、経理BPOを通じて、特定の人に依存しない経営管理体制づくりを支援しています。